[ 港大橋 ]
( みなとおおはし )
[ MINATO BRIDGE ]
阪神高速4号湾岸線の、大阪港第五岸壁から咲洲に架かる橋である。
阪神高速道路大阪湾岸線の港大橋は、大阪市港区港晴と住之江区南港を結ぶ巨大な橋梁であり、その
スケールや他を圧倒する重量感から、大阪港のランドマークになっている。
この橋梁は、昭和49年(1974)に完成した。最大支間長510mのダブルデッキ形式ゲルバートラス橋で、
トラス橋としてはカナダのQuebec橋(549m)、イギリスのForce橋(521m)についで世界第3位の規模を誇っ
ている。また、橋下を4万トン級の大型コンテナ船が航行できるよう、海面から桁下までは50m以上の空間が
確保されている。
使用された鋼材は約35,000tであるが、断面のコンパクト化を図るため、破断強度が80kgf/muという極
厚板の超高張力鋼HT80、HT70が、上下弦材に約5,000tも使用され、強度と溶接性を兼ね備えた鋼材の開
発と製作に関する検討に重点が置かれた。耐風設計においては、全橋模型による風洞実験によって抗力係
数を設定し、耐震設計においては、動的解析結果に基づき各種振動モードを想定した修正震度法を採用す
るとともに、躯体の設計には早くから三次元有限要素法が取り入れてられている。架設においても、中央支
間4,500tの一括吊り上げ架設を行い、今日の大ブロック架設工法のさきがけとなった。
このように、港大橋の建設にあたっては、材料、設計、製作、架設の各分野にわたって、当時の最新の技
術が駆使され、その後の橋梁技術に道を開いたという点で、我が国の橋梁史に残る長大橋といっても過言で
はない。なお、平成14年(2002)から20年(2008)にかけて阪神大震災級の大規模地震にも対応した耐震補強
が施された。

                     港大橋全景              (Wikipediaより)
主桁部
主桁部のエレベーター
主桁の沓
橋梁上部点検設備
橋梁上部から北方の景観
橋梁上部からのパノラマ景観
(画像をクリックすると拡大して見られます)