[ 桜宮橋 ]
( さくらのみやばし )
[ SAKURANOMIYA BRIDGE ]
大川に架かる橋である。
桜宮橋は、昭和5年9月(1930)、第一次都市計画事業の一環として、現国道1号が、大川(旧淀川)を渡
る位置に架けられた。最大支間は104メートルを誇り、戦前では日本最大のアーチ橋である。
桜宮の地名は、大川の東岸にある神社の名に発している。桜宮の周辺は、江戸時代から桜の名所として
有名で、境内ばかりでなく大川の両岸、川崎から長柄の近くまで桜が続いていた。花見の頃には、境内の前
から対岸の川崎の浜に渡船が通じ”桜の渡”と呼ばれた。また、明治になって西岸に造幣局が造られ、八重
桜の並木が整備されて、明治16年(1883)から”通り抜け”が行われるようになった。
当地には、明治35年10月(1902)、桜宮橋の上流に橋が架けられ、澱川橋(淀川橋)と呼ばれたが、昭和
5年の桜宮橋の完成により姿を消した。
桜宮橋の形式は、アーチの中央にもヒンジがある3ヒンジアーチで、橋脚が多少沈んだり移動したりして
も、アーチに無理な力がかからない利点をもち、架橋地点の地盤が悪いことに配慮して採用された。この構
造では、アーチ部材が中間で大きくなるため、橋に重厚な印象を与えている。また、アーチの袂に橋頭堡
もいうべき塔が建てられ、橋の景観を高めている。
「銀橋」と愛称されるこの橋は、大阪を代表する橋の一つであり、また、大阪城天守閣を背景にみるこの
橋は、大阪を代表する風景の一つでもある。桜の頃は特に素晴らしい。
なお、平成18年(2006)には上流側に新桜宮橋が完成している。

全景
(手前)上流側「新桜宮橋」、下流側「桜宮橋」(通称「銀橋」)
下流側「桜宮橋」(銀橋)
桜宮橋頂点ヒンジ部
製造鈑
路面(国道1号線) (左:新桜宮橋、右:桜宮橋)